病気紹介2

頸椎症

  • 頸椎症というのは、中年〜高齢の方が、加齢変化による頚椎の椎間板腔がつぶれて、椎間板が後方に突き出して、また骨のとげの形成によって、脊髄からわかれて上肢へゆく神経根が圧迫されます。神経が刺激され、首のこりや痛み、腕から手にかけてしびれと痛みが生じます。一般に頚椎を後ろへそらせると神経が強く圧迫されますので、しびれと痛みが強くなり、胸がむかむか、気持ちがわるいと訴える方もいます。長期間にわたり症状が徐々に悪化すると、上肢の筋力低下、手の筋肉萎縮、感覚鈍いことが生じることもありますので、症状の悪化防止がもっとも重要です。
  • 診断としては、上記の症状があって、首のレントゲン(上図)で骨と骨の間の隙間が狭くなり、骨の前後に骨のとげを認めることで診断します。MRIで脊髄の前後に神経の圧迫が認められます。また、首レントゲンの斜位で骨棘による神経根が出ていく孔がせまくなる場合もあります。 
  • 治療として、症状が出ないように頚椎を後方へそらせないように、症状が出ている側を下に寝たままテレビを見ないように日常生活の動作に注意します。首の痛みやこりに対し、神経の圧迫を緩和するため、頚椎牽引のリハビリを行います。痛みが強いとき、消炎鎮痛薬と筋肉をほぐす薬を投与します。首の骨の変化は治りませんが、症状がとれることが多く、ただし症状がとれるまでには数か月以上かかることも少なくありません。 

頸椎後縦靭帯骨化症

  • 頸椎後縦靱帯骨化症とは、指定難病の一つであり、椎体骨の後ろを上下に連結し、背骨の中を縦に走る靭帯いわゆる後縦靭帯が骨になった結果、脊髄の入っている背骨の管が狭くなり、脊髄や脊髄から出ていく神経根が押されて、首筋や肩甲骨周辺・指先の痛みやしびれがあります。さらに症状が進行すると、次第に痛みやしびれの範囲が拡がり、両脚がつっぱって歩行困難となり、両手のつっぱりで細かい動作が出来なくなります。重症になると立ったり歩いたりすることが困難となったり、排尿や排便の障害が出現したり、一人での日常生活が困難になることもあります。 頸椎のほかに、胸椎にも、腰椎にも後縦靱帯骨化症が発生します。
  • 病気が発症するのは中年以降、特に50歳前後で発症することが多く、男女比では2:1と男性に多いことが知られています。また、糖尿病や肥満の方に後縦靱帯骨化症の発生頻度が高いことが調査で分かっています。
  • 原因がはっきりしませんが、遺伝的素因、性ホルモンの異常、カルシウム・ビタミンDの代謝異常、糖尿病、肥満傾向などが言われています。
  • 治療として、症状が強い時、頚椎カラーを装着します。また、首を後ろにそらせる姿勢は避ける必要があります。薬物療法として消炎鎮痛剤、筋弛緩剤等を投与します。 首筋の痛みやこり、手のしびれに対し、頸椎けん引を行います。一般に骨化が大きくなることは少なく(上図)、転倒して首を痛めることで脊髄神経症状の悪化がなければ、普通の生活に支障がほとんどありません。 

肩関節周囲炎(50肩)

  • 肩関節周囲炎というのは、江戸時代から、50才前後になると、肩関節が痛み、動かす時に痛みがあり、原因がわからなくて、50才ごろが多いから、50肩と言われています。あまり動かさないでいると肩の動きが悪くなってしまい、髪を整えるや服を着替えることが不自由になります。やがて肩関節の動きをよくする袋(肩峰下滑液包)や関節を包む袋(関節包)が癒着するとさらに動きが悪くなり、肩があまり動けなくなり、欧米では凍結肩、医学的に拘縮と名付けられています。夜中にズキズキ痛み、ときに眠れないほどになることもあります。
  • 50肩の原因として、いろいろがあり、肩関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などが老化して肩関節の周囲に組織に炎症が起きることが主な原因と考えられています。組織炎症のほかに、上腕二頭筋長頭腱炎、石灰沈着性腱炎(上図)、腱板損傷などもあります。一番多いのは、操り人形みたいで肩を動かすひも(腱板)が痛んでいること(腱板損傷)と言われています。(詳しいことは、靭帯・筋腱損傷に参考)
  • 診断は、圧痛の部位や動きの状態などをみて診断します。肩関節におこる痛みには、いわいる五十肩であり、これらは、X線(レントゲン)撮影、超音波検査、MRIなどで区別します。
  • 治療としては、急性期でも、肩がかたくならないように、肩の軽い運動を毎日に、痛みが強いので、消炎鎮痛剤の内服、注射なども行います。急性期を過ぎたら、温熱療法や運動療法(拘縮予防や筋肉の強化)などのリハビリを行います。五十肩は自然に治ることもありますが、放置すると日常生活が不自由になるばかりでなく、関節が癒着して動かなくなることもあります。必ず、一度整形外科で診察を受けた方がよいです。 

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帯状疱疹

  •   帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされるウイルス感染症の一種。子供の時に、かかった水ぼうそうのウイルスが神経の中に潜んでいて、一般的には、体調を崩れたときやストレスによる免疫能力が低下したときに、帯状疱疹ウイルスが活性化して発症します。基本的には片側の同じ神経領域に一生に1回しか出ませんが、別の神経領域に再発するのもしばしば見られます。ただし、膠原病やガンなどで免疫機能が低下している人は、何回も繰り返し、両側の神経領域に及ばす場合もあります。
  • 帯状疱疹の感染力は弱いので、一般には他人に感染することはありませんが、免疫能力を持ったない乳児には感染する可能性があります。一般的に4~8週間に水泡、膿疱、かさぶたなどの皮膚変化を経て、完全に治る場合が多いですが、脳神経領域や目に発症した場合、重症であるため、入院した上に積極的に治療する必要があります。また、一部の高齢者は、半永久的に、神経痛が強く残ることがあり、帯状疱疹後神経痛という状態で、長期にわたり治療しなければなりません。神経痛が残るかどうか、帯状疱疹の早期薬物治療が関係していますので、発症早期に抗ウイルス薬による内服、早期治療開始が不可欠です。重症の場合は、点滴を行います。

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