おか整形外科内科医院

整形外科専門医  リウマチ専門医  膝関節鏡手術

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関節リウマチについて
 
症状:関節リウマチは、いわゆる膠原病の一つであり、免疫機能の異常から発生する慢性かつ進行性炎症性病気であり、主に関節が侵されやすいため、関節リウマチと名付けられています。関節以外に肺臓、腎臓、心臓、眼、皮下組織等にも炎症性反応が認められている全身性疾患です。

●関節の症状:
 手指、足趾、手首の関節の痛みと腫れが徐々に起こります。最初指・手首などの一つあるいは数ヵ所の関節から始まり、やがて左右の同じ部位の関節に痛みと腫れが見られます。
 関節を動かし始めるときにこわばって、なんとなく動かしにくく、使っているうちにだんだん楽になっていきます。特に、朝、起きたときに最も強く感じるので「朝のこわばり」とよばれます。

 関節の腫れと痛みは、波があり、天候に左右されることが多く、一般的に慢性の経過をたどって徐々に進行していきます。リウマチは初期、早期、進行期、晩期4つの段階に分かれています。初期の場合、薬剤治療にて数か月で沈静化なる人もいます。病気が進行することにつれて、関節の骨や軟骨が破壊されて関節の変形が起こり、関節が脱臼や部分脱臼になることもあれば、逆に、関節に骨がお互いに融合し関節が動けなくなる場合もあります。

 

手指と手首が小指側に傾き(尺側偏位)、手指の変形が特徴的で、白鳥の首やボタンホール変形と言われています。

 

 

足の親指が外側に偏る外反母趾となり、足指がお互いに重なり、靴が履きにくくなり、足指に皮膚潰瘍やタコが出来やすくなります。

 

最初から肩、肘、膝の関節に痛みと腫れがみられる場合もあります。関節の腫れは、関節中の滑膜に炎症(滑膜炎)が起こって、滑膜が増殖し関節液が貯っているためです。肩、膝、肘が段々伸ばせなくなり、骨と関節軟骨が破壊され、関節が脱臼や部分脱臼になる場合もあります。

 

くびの骨の関節がおかされてずれていきます。第1と第2頸椎の環軸関節が最も多く見られますが、腰椎にも数ヶ所がずれていることが見られ、リウマチ性脊柱症と呼ばれています。

●関節以外の症状:
 全身症状として、炎症による疲れやすさ、微熱、脱力感、体重減少、食欲低下などが見られ、治らない病気と言われるため、精神的な落ち込みもたまにみられます。

 肘の外側、後頭部、腰骨の上など圧迫が加わりやすい部位の皮下にしこりが見られ、赤く少し柔らかい円形か楕円形をしています。皮下結節とよばれています。
 胸部エックス線写真では、肺の下部に肺線維症の影がみられることがありますが、症状として表われることはまれです。
 涙や唾液が出にくくなるシェーグレン症候群がみられることもあります。
 心臓、肺、消化管、皮膚などに血管炎が起こることにより、発熱や心筋梗塞、肺臓炎、腸梗塞などの症状が出現し、血液検査はリウマド因子が異常に高値を示しているのを悪性関節リウマチといい、稀でありますが、重篤な病気でもあります。
診断:関節リウマチの診断は、本院は日本リウマチ学会の早期関節リウマチの診断基準を用いており、すなわち①3関節以上の圧痛または他動運動痛、②2関節以上の腫脹、③朝のこわばり、④リウマトイド結節、⑤赤沈20㎜以上の高値またはCRP陽性、⑥リウマトイド因子陽性の6項目中に3項目以上を満たす方を治療対象としています。また、関節炎の症状があるにもかかわらず、リウマトイド因子が陰性で、抗CCP抗体、抗核抗体が陽性を呈している方も治療の対象となっています。
 
典型的な関節リウマチの診断には、アメリカリウマチ学会がつくった診断基準を使っています。
この診断基準は、
 (1)1時間以上続く朝のこわばり
 (2)3個所以上の関節の腫れ
 (3)手の関節(手関節、中手指節関節、近位指節関節)の腫れ
 (4)対称性の関節の腫れ
 (5)手のエックス線写真の異常所見
 (6)皮下結節
 (7)血液検査でリウマチ反応が陽性
の7項目からできています。 このうち4項目以上満たせば関節リウマチと診断します。
ただし、(1)から(4)までは6週間以上持続することが必要です。
 
原因:関節リウマチの原因は、いまだに不明の所が多く、ストレス、感染症、細胞分子レベルの制御障害などが挙げられています。そのため、関節リウマチは完治ができなく、種々の治療法に抵抗します。多くの場合、関節の炎症は増悪、寛解を繰返して進行し、やがて四肢の関節障害、身体機能障害に陥ります。日本では、約70 万人の関節リウマチ患者が推定されており、20歳台、40歳台、そして60歳代の女性の発症が中心であり、家族を含めての精神的、家庭的、社会的な負担が大きい。
 
治療:関節リウマチの治療の目標は、関節炎による疼痛の軽減、関節破壊の防止、関節機能の維持により、患者の身体的、精神的、社会的な生活の質の向上を図ることであります。関節リウマチの治療の中心は薬物療法であり、抗リウマチ薬(免疫調整剤、DMARDとも言われ)、非ステロイド性抗炎症薬、ステロイド薬、免疫抑制薬、生物学製剤等があります。当院は、薬の副作用をもっとも重視し、患者さん一人一人の症状、検査結果、進行の具合によって、いろいろ薬の組み合わせを使用しています。但し、生物学製剤について、高率に重篤な副作用があるため、当院は現時点において、使用しておりません。 

 

リウマチ治療薬の種類と副作用:
1.非ステロイド性抗炎症薬(消炎鎮痛薬)
関節の痛みや腫れを軽減する効果を持っています。病気自体の進行や骨や関節の破壊をおさえることはできませが、患者さんの日常生活を維持するのに役に立ち、関節リウマチの治療では一番最初に使う薬とされています。
副作用:数%の方に、胃潰瘍、腎障害、妊婦の場合には流産が見られます。

2.副腎皮質ステロイド薬(ステロイド)
ステロイド薬は1950年に開発された当初はその優れた炎症の抑制力から関節リウマチの特効薬として利用され、これにより開発者がノーベル賞を受賞されるほどのものでした。活動性の高い関節リウマチを抑制するために、メトトレキサートと併用するステップダウンブリッジ療法と呼ばれる治療で、活動性の高い関節リウマチ初期治療に使用されたり、また疼痛の軽減、日常生活動作の改善のために少量投与がよく使われています。当院はプレドニン(5mg)、プレドニゾロン1mgを使用しており、リウマチの患者さんは大体2.5mgから5mgまでしか使用しません。
副作用:胃潰瘍、十二指腸潰瘍、骨粗鬆症、また長期間用いると、顔が丸くなったり、太ったり、高血圧症になりやすくなることと、血糖が上昇して糖尿病が出やすくなります。特に5mg以上使うと副作用が出やすくなります。
3.抗リウマチ薬(免疫調整剤)
抗リウマチ薬とは、関節リウマチの免疫異常を改善させることにより、リウマチの炎症を抑え、寛解導入を目的とする薬剤の総称です。リウマチの進行を阻止する可能性があることから疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)と呼ばれ、また効果発現までに3,4か月の時間を要することから遅効性抗リウマチ薬とも呼ばれています。
当院が使用している抗リウマチ薬の特徴を説明します。

1. 金製剤: 注射金剤(商品名シオゾール)と経口金製剤(商品名リドーラ)があります。効き目が弱いですが、副作用が少ない。
2. ブシラミン(商品名リマチル):重篤な副作用も少ないために第一選択薬として使われる傾向があります。ただし、腎障害の副作用があります。
3. アクタリット(商品名オークル、モーバー):効果は弱く、一方で腎、肝、血液障害などの副作用の報告があります。
4. サラゾスルファピリジン(商品名アザルフィジンEN):切れ味はよく強力で早期に反応する例もあります。抗リウマチ薬の標準薬として使用されています。副作用は肝腎機能障害があります。

4.免疫抑制薬
メトトレキサート(商品名リウマトレックス、メトレート):メトトレキサートは米国ではリウマチに対する標準治療薬です。我が国では1999年8月、リウマトレックスの名前で適応を得ました。通常1週間単位の投与量は6mgで、本剤1カプセル2mgを週に2日、12時間間隔で経口投与し、残り5日間は休薬します。現在承認されているのは、1週間8mgまでです。メトトレキサートの治療効果は他の抗リウマチ薬に比較して速やかで、投与4週目で発現する場合も少なくありません。しかも、その後3~6か月間にわたり、その効果が増強します。

副作用の第一は急性間質性肺炎でその機序はアレルギー性と考えられ、投薬後のどの時期でも発症する可能性があります。その他に、累積投与量が増えることにつれて、肝線維症、骨髄抑制、腎機能障害、白質脳症などがあり、ときに死に至る重篤な副作用も見られます。国内には累計318名の患者が亡くなっています。激しい炎症があり、関節破壊が速やかに進行すると予想される場合には、毎月血液検査を行い、血液検査異常が現れたり、咳と微熱があったりすれば、すぐ中止するように注意深く使用しなければなりません。
5.生物学的製薬
生物学的製剤とは化学的に合成したものではなく、生体が作る物質を薬剤と使用するものです。現在関節リウマチに使用される生物学的製剤としては、レミケード、エンブレルという商品名で使用されています。さらに、すべてヒトの蛋白でできた完全ヒト型抗TNF抗体製剤であるトシリズマブも日本での治験がほぼ終了し、近々申請し数年以内に承認される予定です。レミケードもエンブレルも、今のところリウマトレックス、メトレートが無効ないし効果不十分な患者様に使用することになっています。通常開始して1~2週間で炎症反応(CRPなど)が改善し、痛みや関節の腫れも引いてきます。また長期に使用すれば骨破壊の進行も止めることが分かっており、将来の関節の変形を予防できることが期待できる画期的な薬剤です。特にレミケードは改善した後で中止しても良い状態が維持できる可能性があり、リウマチをほぼ治癒に近い状態に導ける可能性もあります。レミケードは、2時間以上かけて点滴静注により投与します。初回投与の後、その2週間後、6週間後に再び投与し、以後は8週間の間隔で継続投与します。エンブレルの投与方法は週に2回皮下に注射します。はじめは医師が行うことになっており、以後は訓練して自己注射となります。
生物学的製剤には注意すべき副作用があり、特に結核、肺炎、アレルギーによるショックです。さらに、最近では悪性リンパ腫の可能性があると言われています。現在、全例調査中です。