骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって弱くなる病気です。骨粗鬆症になっても、最初は何の症状もありませんが、そのうち腰や背中が痛くなったり、曲がったりしてきます。さらに骨折が起きやすくなり、骨折のため、日常生活活動能力、生活の質が落ちて、寝たきりの原因にもなります。
骨粗鬆症の原因は70%が骨量の減少で、30%が骨質の劣化によるものと言われています。圧倒的に女性に多い病気で、女性では閉経期の40~50歳代から女性ホルモンの減少によって、急激に骨量が減少し、60歳代では2人に1人、70歳以上になると10人に7人が骨粗鬆症を起こすような状態になっています。 一方、男性では60歳過ぎから徐々に増え、70歳以上では10人に4人足らずです。 現在、日本には1,000万人以上の骨粗鬆症患者がいると推定されています。
骨量の減少因子
1.加齢:歳をとるとともに、からだの中の女性ホルモン、色々なカルシウム調節ホルモンが変化するために、骨量が減少します。その他、胃酸分泌の低下や腸の吸収能の低下、腎臓での尿へのカルシウム排泄の増加なども原因となります。
2.女性、閉経:女性の最大骨量は男性より低く、また閉経後の数年間は急激に骨量が減少します。そのため、女性は男性より骨粗鬆症になる危険性が高く、より若い年齢から骨粗鬆症が見られます(男性では、女性ホルモンと同様、男性ホルモンが骨形成を進めています。しかし、男性ホルモンは女性ホルモンほど加齢によって減少しません)。
3.遺伝:家族に骨粗鬆症にかかった人がいる場合、骨粗鬆症になる可能性が高くなります。
4.カルシウム不足:カルシウムは少なくとも1日600mg、成長期の若い人、閉経を迎えた人などは1,000~1,500mgが必要です。高齢者では淡泊なものを好み、食事量も減ってくることから、カルシウムの摂取量が減りがちです。
5.ビタミンD不足:腸におけるカルシウムの吸収にはビタミンDの作用が必要なため、ビタミンDが不足するとカルシウムを吸収することができません。
6.日光浴不足:ビタミンDは、腸でのカルシウムの吸収に不可欠なビタミンです。そして、皮膚の中で日光の紫外線にあたって、はじめて、その役を果すことができるようになります(活性ビタミンD)。そのため、日光に当たらないとうまくカルシウムを吸収することができません。
7.運動不足:筋肉だけでなく、骨の強さを保つためにも運動は非常に大切です。運動といっても、スポーツとは限らず、日常生活の自然な動作や生活様式も、骨や筋肉の維持に影響します。
8.喫煙、飲酒、カフェイン:喫煙は胃腸の働きを悪くしてカルシウムの吸収を悪くし、過量のカフェインは尿へのカルシウムの排泄を増やします。また、過量のアルコールはカルシウムの吸収を減らして、排泄を増やします。
9.食塩、糖分:食塩や糖分を摂りすぎると、カルシウムの尿への排泄が増加し、からだの中のカルシウムが不足することになります。
10.ストレス:過度のストレスは、腸におけるカルシウムの吸収を妨げます。
症状
骨粗鬆症は自覚症状が少ない病気です。そのなかで代表的な症状としては、骨折と、それに伴う痛みなどが中心になります。骨粗鬆症による骨折のほとんどは脊柱(背骨)、大腿骨(太ももの骨)、あるいは、橈骨(手首から肘にかけての親指側の骨)に起こります。
脊柱の変形、身長の短縮:重いものを持ったり、転んだりして普段より少し余計な力がからだに加わっただけで、椎骨(脊柱を構成している一つひとつの骨)が変形します。椎骨の変形は上下からの圧迫によって起こるため、全体が押しつぶされた状態を圧迫骨折と呼びます。椎骨の変形の種類や変形したり圧迫骨折を起こした椎骨の数によって、脊柱はさまざまな形に変形します。そのため、身長が短縮し姿勢や歩行の仕方にも変化が見られます。
慢性の腰痛:椎骨の変形が徐々に生じると、背骨やその両側の筋肉が次第に痛むようになります。痛みは、寝返りや起床、歩行開始時など動作を始めるときに生じます。・突然起こる腰、背中、時には胸の痛み:脊柱の中には神経(脊髄神経)が通り、さらに椎骨の間からからだの各部に向かう神経の枝が出ているため、椎骨の圧迫骨折が起こると、神経の枝が圧迫され、腰や背中に突然、激しい痛みが生じます(腰痛や背中の痛み)。ときには、胸やお尻に痛みを感じることもあります。