おか整形外科内科医院

整形外科専門医  リウマチ専門医  膝関節鏡手術

おか整形外科内科医院     膝関節鏡手術について     変形性膝関節症について     関節リウマチについて     骨粗鬆症について     特定健診の判定基準と保健指導内容      
骨粗鬆症は、長年の生活習慣などにより骨がスカスカになって弱くなる病気です。骨粗鬆症になっても、最初は何の症状もありませんが、そのうち腰や背中が痛くなったり、曲がったりしてきます。ひどくなると骨折を起こして寝たきりの原因にもなります。
骨粗鬆症は圧倒的に女性に多い病気で、女性では閉経期の40~50歳代から急激に骨量が減少し、60歳代では2人に1人、70歳以上になると10人に7人が骨粗鬆症を起こすような状態になっています。 一方、男性では60歳過ぎから徐々に増え、70歳以上では10人に4人足らずです。 現在、日本には1,000万人以上の骨粗鬆症患者がいると推定されています。


骨量の減少因子
1.加齢:歳をとるとともに、からだの中の女性ホルモン、色々なカルシウム調節ホルモンが変化するために、骨量が減少します。その他、胃酸分泌の低下や腸の吸収能の低下、腎臓での尿へのカルシウム排泄の増加なども原因となります。
2.女性、閉経:女性の最大骨量は男性より低く、また閉経後の数年間は急激に骨量が減少します。そのため、女性は男性より骨粗鬆症になる危険性が高く、より若い年齢から骨粗鬆症が見られます(男性では、女性ホルモンと同様、男性ホルモンが骨形成を進めています。しかし、男性ホルモンは女性ホルモンほど加齢によって減少しません)。
3.遺伝:家族に骨粗鬆症にかかった人がいる場合、骨粗鬆症になる可能性が高くなります。
4.カルシウム不足:カルシウムは少なくとも1日600mg、成長期の若い人、閉経を迎えた人などは1,000~1,500mgが必要です。高齢者では淡泊なものを好み、食事量も減ってくることから、カルシウムの摂取量が減りがちです。
5.ビタミンD不足:腸におけるカルシウムの吸収にはビタミンDの作用が必要なため、ビタミンDが不足するとカルシウムを吸収することができません。
6.日光浴不足:ビタミンDは、腸でのカルシウムの吸収に不可欠なビタミンです。そして、皮膚の中で日光の紫外線にあたって、はじめて、その役を果すことができるようになります(活性ビタミンD)。そのため、日光に当たらないとうまくカルシウムを吸収することができません。
7.運動不足:筋肉だけでなく、骨の強さを保つためにも運動は非常に大切です。運動といっても、スポーツとは限らず、日常生活の自然な動作や生活様式も、骨や筋肉の維持に影響します。
8.喫煙、飲酒、カフェイン:喫煙は胃腸の働きを悪くしてカルシウムの吸収を悪くし、過量のカフェインは尿へのカルシウムの排泄を増やします。また、過量のアルコールはカルシウムの吸収を減らして、排泄を増やします。
9.食塩、糖分:食塩や糖分を摂りすぎると、カルシウムの尿への排泄が増加し、からだの中のカルシウムが不足することになります。
10.ストレス:過度のストレスは、腸におけるカルシウムの吸収を妨げます。

 

症状
骨粗鬆症は自覚症状が少ない病気です。そのなかで代表的な症状としては、骨折と、それに伴う痛みなどが中心になります。骨粗鬆症による骨折のほとんどは脊柱(背骨)、大腿骨(太ももの骨)、あるいは、橈骨(手首から肘にかけての親指側の骨)に起こります。
脊柱の変形、身長の短縮:重いものを持ったり、転んだりして普段より少し余計な力がからだに加わっただけで、椎骨(脊柱を構成している一つひとつの骨)が変形します。椎骨の変形は上下からの圧迫によって起こるため、全体が押しつぶされた状態を圧迫骨折と呼びます。椎骨の変形の種類や変形したり圧迫骨折を起こした椎骨の数によって、脊柱はさまざまな形に変形します。そのため、身長が短縮し姿勢や歩行の仕方にも変化が見られます。
慢性の腰痛:椎骨の変形が徐々に生じると、背骨やその両側の筋肉が次第に痛むようになります。痛みは、寝返りや起床、歩行開始時など動作を始めるときに生じます。・突然起こる腰、背中、時には胸の痛み:脊柱の中には神経(脊髄神経)が通り、さらに椎骨の間からからだの各部に向かう神経の枝が出ているため、椎骨の圧迫骨折が起こると、神経の枝が圧迫され、腰や背中に突然、激しい痛みが生じます(腰痛や背中の痛み)。ときには、胸やお尻に痛みを感じることもあります。

 

診断
検査は最初の診断をつけるため、また治療効果を判断するため定期的に行われます。
最も確実な検査法は、骨量測定であります。骨量を測定する方法には、二重エネルギーX線骨密度測定(DXA)や単純X線撮影(MD法、DI法)、CT(コンピューター断層撮影法)、超音波法があります。当院はDTX-200を用いて、骨量測定を行っています。DTX-200は,扱い易さのみならず,人為的誤差などのマイナス要因をシステム上からできるだけ排除することで,より正確でスピーディな検査環境を実現。骨粗鬆症スクリ-ニング用としてだけでなく治療のモニタリング用など,高いレベルで応えるために開発された最新の小型二重エネルギーX線骨密度測定(DXA)システムです。

予防
●日頃からカルシウム摂取を心がけた食生活を実現し、骨量を増やし減少を防ぎましょう。
●自分の骨量を知っておきましょう-早期発見。
●骨折の原因となりやすい動作や転倒などに注意しましょう。

具体的に
1. カルシウムを含む食品をたくさん食べましょう。
成人におけるカルシウムの1日所要量は600mgとされていますが、成長期の若い人、閉経を迎えた人、また、これを過ぎて骨粗鬆症の危険度が高い人は1,000~1,500mgが必要です。しかし、カルシウムはなかなかとりにくい栄養素で、日本人の平均摂取量は未だに1日所要量の90%程度といわれています。まず、牛乳を1日2本飲み、骨ごと食べられる小魚類や大豆製品、海草類をとるようにしましょう。野菜では、カルシウムの含有量が多い小松菜がお勧めです。カルシウム強化補助食品も市販されていますが、あくまで補助として利用し、工夫して食生活を充実させましょう。最近、若い女性の間でダイエットをする人が多く見られますが、カルシウムを意識しないダイエットは骨量を著しく減少させます。骨粗鬆症はおばあさんのなる病気と決め付けてはいませんか。実は病気になるもならないも、10~20歳代からの食生活が大変影響してきます。ダイエットをする際には、くれぐれもご用心を。
2.腸でのカルシウムの吸収を良くしましょう。
・ビタミンDを摂る:ビタミンDは、カツオ、マグロ、アジ、レバー、バター、たまご、椎茸などに含まれています。
・日光にあたる:食物に含まれるビタミンDは、正確には前駆体(プロビタミンD)です。実際に役立つビタミンDになるには、いったん皮下の脂肪組織に蓄えられて、日光の紫外線の作用を受ける必要があります。夏なら木陰で30分、冬なら顔や手に太陽を1時間当てるくらいで、1日に必要なビタミンDが十分作られます。
・タバコを吸わない
・アルコールをとりすぎない
・ストレスをためない
3.定期的に運動をしましょう
・運動とは:骨に力(体重)がかかるような運動(陸上競技、重量挙げなど)が骨量をよく増加させます。しかし、長距離走や過度の運動や減量を必要とするもの、ストレスになるほどの運動は、かえって骨量を減少させることがあります。高齢者では、心臓、肺や、手足の関節に負担をかけない運動(歩行、ジョギング、自転車、体操など)が勧められます。なかでも、歩行は最も簡単で、速度によって強さを調節することもできる運動です。
・適度な運動量とは:運動は、軽く汗ばむ程度で1日60分、2日程度の休息をとりながら、1週間に3日以上行います。
4.カルシウムがおしっこに排泄されすぎないようにしましょう
・食塩、糖を摂りすぎない。
・カフェインを摂りすぎない。
5.骨折を防ぐための日常生活上の工夫や注意点
・つまづきそうなものは片づける。
・段差をなくす。
・階段には、手すりや滑り止めをつける。
・風呂場には手すりをつけ、湯船の中には滑り止めマットを敷く。
・暗いところには、足下をてらす明かりをつける。
・家の中では素足、外では運動靴がよい。
・大雨、強風、雪などの日は外出を避け、人混みも避ける。
・重いものを持ったり、運んだりしない。

 

薬物治療
最近では早期治療により、骨粗鬆症による骨折がかなり防げるようになりました。 現在使われている薬は、骨の吸収(骨が溶ける)を抑える薬、骨の形成(骨を作る)を助ける薬、吸収と形成の骨代謝を調節する薬の三つに大別できます。
[骨の吸収を抑える薬]
  女性ホルモン     :女性ホルモンの分泌が減る閉経期の女性が対象で、更年期症状を改善し骨量の減少を抑える
  カルシトニン(商品名:エルシトニン、注射薬)      :骨量の減少を抑え、背中や腰の痛みをやわらげる
  ビスフォスフォネート(商品名:ボナロン、アクトネル、ベネットなど)     :骨量を明らかに増加させ、骨折を予防する
  イプリフラボン(商品名:オステン)      :骨量の減少を抑える
  ラロキシフェン(商品名:エビスタ)      :骨量を増加させ、骨折を予防する
[骨の形成を助ける薬]
  ビタミンK2(商品名:グラケー)     :骨量の減少を抑え、骨の形成を助ける
[吸収と形成を調節する]
  ビタミンD3(商品名:ワンアルファなど)     :腸からのカルシウムの吸収と骨の形成を助ける
  カルシウム剤(アスパラCa錠)      :食事からカルシウムがじゅうぶんとれない場合、長期に服用すれば骨量減少の防止になる