変形性膝関節症について
罹患率について
変形性関節症のなかでも日本人に多い変形性膝関節症に罹患している人は、国内に約700万人いると推定され、発症する人は、年間約90万人であり、これは整形外科新患の約7.6%に相当します。介護保険制度による要介護高齢者の10~15% は変形性関節症に起因して生活機能を低下させていると推定されています。
人工膝関節置換術について
変形性膝関節症に伴う生活機能の低下を医療によって防ぐ方法の1 つとして手術療法がありますが、国内で1 年間に約3 万5,000件行われている人工膝関節置換術がそのほとんどを占めています。
人工膝関節置換術による徐痛効果については、多くの論文での報告が、術後数年間約80% の症例で全く痛みがないか、多少の不快感がある程度に治せたと述べています。人工膝関節置換術を受けた患者の95% は10 年間以上にわたって使用でき、さらに20 年間以上、または生涯にわたって人工膝関節を使用できる患者も多くなっています。
しかしながら、人工膝関節置換術を受けた高齢者の52% は日常生活上の制限を受け、健常高齢者ではわずか22% しか日常生活上の制限を受けていない状況と大きく異なっており、膝を痛めた患者であったとしても人工膝関節に替えて健常な膝を取り戻していないことが問題視されています。
このように、人工膝関節置換術については除痛効果が優れていても、日常生活の制限が大きいことから、人工膝関節置換術が日進月歩の改善を示しているものの、さらなる臨床研究により改良を重ねないと、変形性膝関節症患者の99.5% が人工膝関節置換術を選択しないわけとなります。
膝関節鏡手術について
人工膝関節置換術が変形性膝関節症を完治できる方法ではないことから、膝関節の変形防止や変形し始まった膝関節の進行防止の重要性はいうまでもありません。下記のいろいろの保存療法に抵抗し、症状が強く、膝関節の隙間がある程度に残っている場合、膝関節鏡手術を用いて、変形し断裂している半月板を部分的に切除し滑らかにしておき、関節内機械的刺激を除去することにより、膝関節痛と関節の可動域が改善させ、変形の進行防止に効果があると分かってきています。このように、膝関節鏡手術は、「壊れていく膝」を修理し、長く膝関節機能を保持し、人工関節置換術の時期遅らせることができます。また、早期・進行期変形性膝関節症の場合、術後全く痛みがなく、正座などの日常生活動作もできる患者も多い。