おか整形外科内科医院

整形外科専門医  リウマチ専門医  膝関節鏡手術

おか整形外科内科医院     膝関節鏡手術について     変形性膝関節症について     関節リウマチについて     骨粗鬆症について     特定健診の判定基準と保健指導内容      
1. 膝半月板断裂について
2. 半月板断裂の鏡視下写真
3. 膝関節内遊離体
4. 膝関節水症について
5. 膝関節内腫瘍(自験例)
膝関節鏡手術について
   内視鏡を用いた手術であり、小切開(5mm位)にて、入院は3日間ほどで、手術時間が十数分で、30分以内で済むのはほとんどです。
 
    関節鏡手術の適応としては、早期・進行期の変形性膝関節症、半月板断裂、タナ障害、関節内遊離体、膝関節血症、ホッファ パッドなどが挙げられます。
 
    経験的に(21年間1000例以上)、膝関節鏡手術について、個人的な考え方を下記のようにまとめております。
 
1.変形性膝関節症は、加齢と共に、ももとすねの関節表面軟骨が徐々に擦り減り、その間のクッションである半月板の損傷がひどく、やがて関節表面軟骨が消失し、軟骨の下にある骨が露出してきます。露出した骨に直接応力が集中し、反応性骨硬化、骨増殖などが出現し、骨まで変形してしまいます。変形性膝関節症の症状としては、骨軟骨損傷による運動痛と関節の屈伸制限があり、とくに、立ったり座ったり、歩きや動き始め、階段降りるとき、痛みを感じます。夜寝ていて、目が覚めてトイレ行こうと思って、急に歩けなくなるのも、しばしば見られます。早期治療としては、一般的に、ヒアルロン酸による関節内注入療法および大腿四頭筋強化は症状の改善に有効ですが、痛みが急に悪化した場合には、関節内のクッションである半月板が断裂した可能性が高く、ヒアルロン酸注入療法などでは症状の改善が困難となります。変形性膝関節症が増悪していく原因としては、肥満、関節の不安定性、半月板断裂による応力異常、遊離体による機械的刺激、滑膜炎による炎症的刺激などが挙げられます。特に、断裂した半月板や関節内遊離体がももとすねの間に、曲げ伸ばし際に挟まれ、ももとすねの表面軟骨の変形と摩耗が急速に進行していくと思われます。そこで、関節の隙間がある程度残っていて、症状が強い場合、関節鏡手術にて、傷んだ軟骨を一部切除し、関節内の機械的刺激を除去することにより、変形の進行防止や症状の改善が得られます。膝関節鏡手術は早期・進行期変形性膝関節症に対し、治療の選択肢の一つとして、有効かつ安全の治療法と考えています。
 

 2.半月板断裂は、上で述べた変形性膝関節症のほかに、スポーツや転倒などの外傷も起こります。半月板の外側3分の1に血管が入り込んでいるため、成熟した軟骨と違って修復と再生能力があり、自然に治る可能性がありますが、断裂の範囲が広いや内側に断裂の場合、なかなか治りません。3か月間の保存療法にも関わらず、運動痛や屈伸制限が残っている場合、将来的に、半月板を傷めた膝が変形を早まる恐れがありますので、早期診断・早期治療により、最小限の半月板切除を図るべきです。

 

3.約15%のひとが、膝の関節包の壁に、生れ付きひだが存在しています。いろいろのタイプとサイズがありますが、あまり大きい場合、急に立つ、しゃがむ際に、膝蓋骨(膝のさら)と大腿骨(もも)の間に挟まれて痛みを感じます。このように膝関節包のひだによる痛みをタナ障害といい、一般的に14~15歳前後に症状が出てきます。10歳代のタナ障害は保存療法で対処すべき、成人後のタナ障害に対し、自然に治る見込みがなく、関節鏡鏡視下切除術は簡単かつ確実で、優れた治療成績が得られます。
 
4.関節内遊離体というのは、はがれた軟骨や滑膜から出てきた軟骨が関節の中に自由に移動し、骨と骨の間に挟まれ、激痛を生じる場合が多く、関節鏡手術にて摘出し、完治することができます。

 
5.膝関節血症(骨折例を除く)の原因として、膝の中の靭帯(前十字靭帯、後十字靭帯、内外側側副靭帯)断裂、内外半月板断裂、支帯断裂などがあります。特に半月板断裂の場合、周辺部での半月板バケツ柄断裂が多数に認められ、早期的に関節鏡手術を行えば、良い治療成績が得られます。

 

6.脂肪パッド・インピンジメント(ホッファ・パッド)は、膝蓋靱帯の内側に付いている異常な大きさの脂肪パッドが大腿・膝蓋関節の間に入り込んでいて、膝を伸ばした際に、はさまれて膝蓋骨のまわりに痛みを感じます。長年にわたり、症状が改善されなく、普段は軽い痛みですが、たまに、脂肪パッドが強くはさまれて、激痛を感じる場合もあります。近年、MRIにて簡単に診断が出来るようになりました。保存療法は、限界があり、関節鏡〃視下切除は簡単ですが、脂肪パッドを切除したあと、術後瘢痕組織のため、必ずしも痛みが完全に取れる保障がありませんので、痛みが強く、屈伸困難で日常生活動作に支障ある方のみが手術の対象となります。中年以降女性の方が多く、肥満とあまり関係がないようです。


 
付記:
関節鏡手術は予約制で、木曜日午後に、院長が自ら提携先医療機関で手術を行っております。